LOUVY PLANS
 
THE SCRIPTS
 



リコールFROM80sプラン

81 博物館内(昼)
  ロベルト館内へ。
  ロベルトに手を振るクララ。
  クララとアカワに近寄るロベルト。
  二人と握手。
ロベルトのモノログ「1年ぶりだった。ミスター・アカワは、チャンから連絡を受けて、イタリアから、やってきた。ミスター・アカワは、風変わりな男でもあった。それならば、はやく、チャンに会えばいいのに、友人と博物館を見学していた。ミスター・アカワは、風変わりに時間を使うことで、生活の中のストレスを減少させていたのだった」
  アカワが、トリップしているような笑みを浮かべる。
アカワ「人生は、ほんとに分からない事だらけだって思うよ、ロベルト。時々、いや、たくさんの時間の中で、自分の人生をコントロール出来ないでいるよ。これが人としての生に関する、わたしの意見だよ」
ロベルト「チャンにしても、あなたにしても、ボクにとって、まだ感じたことのないことを言いますね・・・」
アカワ「ごめん、ごめん、・・・ちょっと考え事が多い日々だったんだ、この頃・・・」
長身の人物「ハロー」
  そうあいさつしながら、長身の男が近づく。
ロベルトのモノログ「この人物が、ボクがそれまでに、その名前だけを知っていたアメリカ人、ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアだった。彼は、少し神経質な面が表出するミスター・アカワと違い、自分を確信するように振る舞っていた」
  ロベルトに近寄り、ロベルトの肩をポンとたたき、ガハハと笑いながら、長身の男(ドクター・カールトン・ジュニア)は言う。
カールトン「きみがロベルト?」
ロベルト「ええ」(やや緊張気味)
クララは、ロベルトとカールトンのやりとりを微笑ましく見ている。
ロベルトのモノログ「その日、ボクにとっては、クララとの再会が最も重要な事だった。彼女に再会すると、ふしぎに嬉しくなった」
アカワ「行こうか?」
ロベルト「えっ、どこに?」

82 ハイウェイ(外・昼)
赤い車が走っている。
 
83 赤い車(内部)
  ロベルト、クララ・シュミット、ミスター・アカワ、そして、ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアが乗っている。
アカワ「まだ、主役がそろってないのさ。
 ロベルト、・・・チャン、覚えてる?」
ロベルト「チャンのことは、いつも頭から離
 れません」
アカワ「ほほう。今から、チャンのとこに行
 くよ」
ロベルト「ボクとクララは、彼女をミステリ
 アス・チャンと呼んでます」
  アカワが笑う。

アカワ「最高のネーミングだ。わたしにとっても、彼女はミステリアス・・・」

84 やしの木の林(昼)
   林を通り抜けていく車。
ロベルトのモノログ「やし林の向こう側に、ミステリアス・チャンが1人でレンタル・ハウスを借りている、住宅街がある。ミステリアス・チャンは、クレタに滞在している間に、ホテルからレンタルハウスに移っていた」

85 チャンのレンタルハウス(外観・昼)風通しの良さそうな木造レンタルハウス。
   外にはチャンのものらしい洗濯物が干されている。
   アカワ、ロベルト、クララ、カールトンが、そのドアの前に立っている。
   アカワがドアのブザーを鳴らす。
チャンの声「WHO’S THERE?(だれ?)」
アカワ「THIS IS MISTER 
AKAWA(ミスター・アカワだ)」
ミステリアス・チャンはドアをゆっく
   り開ける。
   サマーセーター姿のチャン登場。
   チャンをじろじろと見ているロベルト。
ロベルト「彼女は、普段、わりと肌を見せる服装なのだが、その日は体を隠す長めのサマーセーターを着ていた。ボクは密かに、ミステリアス・チャンの腰に彫られたタトゥーに興味を持っていた。なぜなら、その70年代デザインに興味を持ったから。ボクの養父は70年代北カリフォルニアに住んでいた。その頃、彼が撮影した北カリフォルニアの街の様子の写真が白壁の家にたくさんあった。その中に、タトゥー
 を入れた人々が、写っていた。ミステリア
 ス・チャンのタトゥーのデザインは、北カ
 リフォルニアのものと似ていることにボク
 は気付いた。そういえば……、彼女には、
 幼少期の記憶がない・・・」
チャン「どうしたの? ロベルト?」
  はっと、我に返るロベルト。
ロベルト「いえ・・・」
  4人は、チャンのレンタルハウスの中に
入る。



12月12日(月) | トラックバック(0) | コメント(0) | リコールFROM80s | 管理

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