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| 46 丘の遠景(夕闇) クララが指差す方向にある丘。 彼女が指差したのは、遠くに小さく見える、ホテル「宝石」だ。 クララ「キミ、何か書くもの持ってる?」 ロベルトは、ポケットをさぐり、安いボールペンを取り出す。 彼女は、ロベルトの手からボールペンをサッと奪う。 クララ「きみの電話番号は?」 そして、ロベルト、電話番号を言う。 それを彼女は自身の手の甲に、ボールペンで記す。 ロベルトのモノログ「そのドイツ少女が、ボクには、映画に登場するヒロインのように見えた」
47 街一軒の映画館(外・昼) 古いが、おしゃれな建物。 ショウ・ウインドウには、珍しい映画のポスター。 ロベルトが、ショウ・ウインドウの前をうろうろしている。 彼は、ポスターを見ているのだ。 夢中のロベルト。 ロベルトのモノログ「当時、ボクは映画が作り出すイリュージョンの虜だった」
48 キオスク(外・昼) 映画雑誌などが並んでいる。 自転車で来たロベルトが、一冊の映画雑誌とジェラートを買って、去る。 ロベルトのモノログ「白壁の家から300メートル程歩いた所だったと記憶しているが、キオスクがあった。ボクは、そこでよくジェラートを買い食いした」 雑誌を脇に抱え、ジェラートを舐めな がら自転車に乗って、広い砂地の道路を行くロベルト。 ロベルトのモノログ「キオスクに、アメリカ合衆国やフランス、時に香港の映画スターのグラビアがいっぱいのマガジンが売られていた。ボクは、そんなマガジンが好きだった」
49 海辺の道(昼) 自転車で通過するロベルト。 水面に陽光を受けて、まばゆく光る海。 海を見るロベルト。 ロベルトのモノログ「アメリカ合衆国、フランス…、どこもが、クレタ島から遥か彼方だった。しかし、時どき、それらの国々からのロケーション撮影隊が、エーゲ海を訪れた。ボクはまっさきに見物に行ったものだ」 50 湾の風景が美しく見える場所(昼) 2人のフランス人らしき男(フランスのの国旗が背中にプリントされたTシャツを着ている)と、フランス女優らしき人物が、そこにいる。 2人の男は、脚本のような本を持ちながら、フレーミング用のレンズで湾を見ている。 フランス女優らしき人物は、にこにこ笑っている。 ロベルトのモノログ「あれは、フランスの女優だ、と思った。映画のロケーションをさがしてるんだ、とボクは分かった」 自転車を降りるロベルト。 女優にあいさつする。 女優、ロベルトと握手。 ロベルトのモノログ「ボクは、彼女と握手を交わして、不思議な感激を味わった。すました顔をしながらボクは、心で女性たちに翻弄され続けていた」
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Dec.12(Mon) | Trackback(0) | Comment(0) | リコールFROM80s | Admin
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