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71 イタリアの町(外・昼)
スーパー「イタリア」
  アカワが小売店に、バッグを持って入る。

72 イタリアの小売店(内・昼)
  アカワが店主に話しかける。
アカワ「私は日本のエレクトロニクス・メー
 カーから来ました。これを見てください」
  アカワがバッグから自社のビデオカメラを取り出す。
店主「ビデオカメラだね」
アカワ「これが我が社のプロダクトです。売
 り込みのために、いろいろ店を回ってま
 す」
  店主は、そのビデオカメラを手にとって見る。
店主「なかなかシャレてて、いいね。・・・
 今は、 ちょっと、うちの方も仕入れ出来
 ない状況なんだ」
  ビデオカメラをアカワに返す店主。
アカワは、ビジネス・カードを店主に渡す。  
アカワ「では、私のビジネス・カードを渡し
 ておきます。ありがとうございます」
  店を出るアカワ。

73 クレタの郊外(外・昼)
  緑に被われた小高い丘、ロベルトが歩いている。
ロベルトのモノログ「そうこうしている日々、ある問題が起きた。問題は、チャンを描いたヌード画が盗まれた、という事だった。そのような事が起きるとは、ボクは全く予想してなかった。その話をしよう」

74 ロベルトの白壁の住まい(室内・昼)
  ベッドの側の時計が1時を指している。
  横になっていたロベルト、目を開ける。
ロベルトのモノログ「ボクは、その日、午後
 1時までベッドの中にいた」
  電話のベル音が聞こえる。
  ロベルト、起き上がり、自室を出る。

75 居間(内・昼)
  電話が鳴っている。
  走ってきて、電話を取るロベルト。
電話の声の主「ロベルト、ワタシ! 分か
 る?」
ロベルト「クララ?」
目をまんまるにするロベルト。
ロベルトのモノログ「ボクは、クララが再び
 クレタ島に来た事に戸惑い、そして嬉しく
 感じた」



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76 イラクリオン考古学博物館(内・昼)
  館内公衆電話から電話しているクララ。
クララ「ロベルト、他におもしろい人も一緒
 なのよ。声を聞かせるね」
ロベルト「誰だろう?」
  クララの隣に来る人物。
  それは、アカワだ。
  アカワは、クララから受話器を受け取る。
アカワ「やあ」

77 ロベルト自宅居間(昼)
  受話器を持っているロベルト。
ロベルトのモノログ「聞き覚えのある、なに
 か、みんなの好奇心を集める声。それは、
 その前年に出会ったミスター・アカワの声
 だと、すぐ分かった」

78 博物館内
アカワ(受話器を持って)「ボンジュルノ、
 ロベルト。1年ぶりだね。1年ののち、キ
 ミは、より成長しただろうね。今、ボクた
 ちは、イラクリオン考古学博物館にいる。
 そこのパブリック・フォンから、キミに電
 話してるんだよ。クララと、ここで偶然会
 った。1年前、チャンの部屋で会った時の
 面影があったから、彼女だと分かった。ミ
 ュージアム・カフェに居るから、キミもこ
 っちへ来て欲しい」

79 土手(昼)
  自転車で行くロベルト。
  はりきって自転車をこぐ。
ロベルトのモノログ「イラクリオン考古学博物館か。久しぶりだ。考古学博物館へ行くといつも、ボクは不思議な気分になっ
  た。なぜ今を生きる者は、過去の歴史が
残してきた文化に興味を持つのか? 
そう思うのとウラハラに、ボク自身、クレタの歴史的海洋文化に引かれる事もあった」

80 博物館(外見・昼)
  しずかに佇む建造物。



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81 博物館内(昼)
  ロベルト館内へ。
  ロベルトに手を振るクララ。
  クララとアカワに近寄るロベルト。
  二人と握手。
ロベルトのモノログ「1年ぶりだった。ミスター・アカワは、チャンから連絡を受けて、イタリアから、やってきた。ミスター・アカワは、風変わりな男でもあった。それならば、はやく、チャンに会えばいいのに、友人と博物館を見学していた。ミスター・アカワは、風変わりに時間を使うことで、生活の中のストレスを減少させていたのだった」
  アカワが、トリップしているような笑みを浮かべる。
アカワ「人生は、ほんとに分からない事だらけだって思うよ、ロベルト。時々、いや、たくさんの時間の中で、自分の人生をコントロール出来ないでいるよ。これが人としての生に関する、わたしの意見だよ」
ロベルト「チャンにしても、あなたにしても、ボクにとって、まだ感じたことのないことを言いますね・・・」
アカワ「ごめん、ごめん、・・・ちょっと考え事が多い日々だったんだ、この頃・・・」
長身の人物「ハロー」
  そうあいさつしながら、長身の男が近づく。
ロベルトのモノログ「この人物が、ボクがそれまでに、その名前だけを知っていたアメリカ人、ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアだった。彼は、少し神経質な面が表出するミスター・アカワと違い、自分を確信するように振る舞っていた」
  ロベルトに近寄り、ロベルトの肩をポンとたたき、ガハハと笑いながら、長身の男(ドクター・カールトン・ジュニア)は言う。
カールトン「きみがロベルト?」
ロベルト「ええ」(やや緊張気味)
クララは、ロベルトとカールトンのやりとりを微笑ましく見ている。
ロベルトのモノログ「その日、ボクにとっては、クララとの再会が最も重要な事だった。彼女に再会すると、ふしぎに嬉しくなった」
アカワ「行こうか?」
ロベルト「えっ、どこに?」

82 ハイウェイ(外・昼)
赤い車が走っている。
 
83 赤い車(内部)
  ロベルト、クララ・シュミット、ミスター・アカワ、そして、ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアが乗っている。
アカワ「まだ、主役がそろってないのさ。
 ロベルト、・・・チャン、覚えてる?」
ロベルト「チャンのことは、いつも頭から離
 れません」
アカワ「ほほう。今から、チャンのとこに行
 くよ」
ロベルト「ボクとクララは、彼女をミステリ
 アス・チャンと呼んでます」
  アカワが笑う。

アカワ「最高のネーミングだ。わたしにとっても、彼女はミステリアス・・・」

84 やしの木の林(昼)
   林を通り抜けていく車。
ロベルトのモノログ「やし林の向こう側に、ミステリアス・チャンが1人でレンタル・ハウスを借りている、住宅街がある。ミステリアス・チャンは、クレタに滞在している間に、ホテルからレンタルハウスに移っていた」

85 チャンのレンタルハウス(外観・昼)風通しの良さそうな木造レンタルハウス。
   外にはチャンのものらしい洗濯物が干されている。
   アカワ、ロベルト、クララ、カールトンが、そのドアの前に立っている。
   アカワがドアのブザーを鳴らす。
チャンの声「WHO’S THERE?(だれ?)」
アカワ「THIS IS MISTER 
AKAWA(ミスター・アカワだ)」
ミステリアス・チャンはドアをゆっく
   り開ける。
   サマーセーター姿のチャン登場。
   チャンをじろじろと見ているロベルト。
ロベルト「彼女は、普段、わりと肌を見せる服装なのだが、その日は体を隠す長めのサマーセーターを着ていた。ボクは密かに、ミステリアス・チャンの腰に彫られたタトゥーに興味を持っていた。なぜなら、その70年代デザインに興味を持ったから。ボクの養父は70年代北カリフォルニアに住んでいた。その頃、彼が撮影した北カリフォルニアの街の様子の写真が白壁の家にたくさんあった。その中に、タトゥー
 を入れた人々が、写っていた。ミステリア
 ス・チャンのタトゥーのデザインは、北カ
 リフォルニアのものと似ていることにボク
 は気付いた。そういえば……、彼女には、
 幼少期の記憶がない・・・」
チャン「どうしたの? ロベルト?」
  はっと、我に返るロベルト。
ロベルト「いえ・・・」
  4人は、チャンのレンタルハウスの中に
入る。



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86 イメージ(シスコとバークレーの街)
  タトゥーを入れた若者たちが行き交うストリート。
  テレグラフ・アベニューや、ヘイト・アシュベリー。
ロベルトのモノログ「アメリカ合衆国、北カ
 リフォルニア……、その地名は、養父の影
 響で、いつも、ボクの頭の中に浮かんだ」

87 レンタル・ハウス(内・昼)
リビングルームに置かれたソファ。
4人が座る。
4人の前に立つチャン。
チャン「そう…、絵が消えたの!」
4人、一瞬、しーんとする。
ロベルトのモノログ「そうやって、ミステリ
アス・チャンは話を切り出した」
ロベルト「どの絵?」
チャン「ワタシの背中から腰までが、描かれたヌード画…」
ロベルトのモノログ「ボクは、やはり、あのタトゥーが描かれたヌード画か…、と思った。あの、小さいが、変わったデザインのタトゥーには、何か秘密めいた所があった」
ロベルト「あれ、タトゥーが描かれてたね。あのタトゥーは、北カリフォルニアと関係があるって、ボクは確信してるんだ」

クララ・シュミット、ミスター・アカワ、ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニア、そしてミステリアス・チャンの4人の視線が、一気にロベルトに集中。
アカワ「聞かせてくれ」
  4人に話して聞かせるロベルト。
ロベルトのモノログ「ボクは、そう確信する訳、養父のことなどを皆に話した」
チャン「ワタシの腰には、ワタシがものごころついた時に、すでにタトゥーがあった……」

88 スーパー「船旅」

89 湾(昼)
  船が行き来している。

90 陸の展望スポット(外・昼)
  ロベルトとクララが湾を展望している。
ロベルトのモノログ「ボクは、クレタ島の海に囲まれた、小さな生活範囲から、外に出たくなっていた。クララは、白壁の家のゲストルームに泊まって、クレタ島までの旅路のことを、ディナーの時に話してくれた」



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91 ホテル「宝石」(外観・夜)
  ホテルの背景に無数の流れ星。

92 ホテルの1F共同スペース(夜)
  カールトンとアカワがソファに座り込んで、向かい合っている。
カールトン「ミスター・アカワ……、ボクは考えたんだよ。あの絵にどれほどの価値があるのか、ボクにははっきり分からない。しかし、ある情報によると、盗まれた美術品は、ここから一番近い場所では、イスタンブールで売られることが多い。あの土地には、世界の様々なものが集まるんだ。古代の彫刻から、世界中の現代美術まで……。盗まれた絵は、きっと、イスタンブールの市場で見つかる! 行ってみようか?」

93 ロベルトの日誌
  表紙をめくると、以下の記述がある。
  「ミスター・アカワは、旅を好む男でもあった。彼が少年の日に夢見たアドベンチャーが、近くに来ていた。さいわいに、彼は、そのアドベンチャーに足を踏み入れるに足る、財産を持っていた。
 そして、彼は、その旅……、つまり盗まれた絵を探すアドベンチャーには、他にも仲間が居た方がいい、と考えた」
 (日誌を記すロベルトの映像も入る)

94 白壁の家(外観・朝)
  鳥のちゅんちゅんという鳴き声。
  電話のベル音。

95 白壁の家(居間・朝)
  ロベルトが受話器を耳につけている。
ロベルト「ミスター・アカワ、どうしたんですか? こんな朝に」
アカワ「(受話器の向こうから)きみ、今、サマー・バケーション中だよね。きみをアドベンチャーに誘うよ、もちろん、クララも一緒に」



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96 港(外・朝)
 港を出る客船、ネオ・コンセプト号。

97 ネオ・コンセプト甲板(朝)
  アカワが手すりに寄りかかっている。
  となりにロベルトとクララがいる。
アカワ「ネオ・コンセプトか・・・、いい名だ・・・」


98 船内バー
  チャンとカールトンがカウンターに居る。
ロベルトのモノログ「ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアも、同室だったが、彼は、ワイン好きで、ボクの記憶では、彼は、ミステリアス・チャンと、客船バーのカウンターで、ずっとワインを飲みながらおしゃべりしていた。ミスター・アカワは、1800年代の探検隊長になったような気分の表情で、船旅を楽しんでいた」
カールトンと乾杯するアカワ。

99 夕暮れの海原
  夕暮れの太陽が海に沈もうとしている。シルエットになったネオ・コンセプトがゆっくりと進んでいく。
ロベルトのモノログ「これから、どんな人に出会うのか? 本当にイスタンブールに行けば、ミステリアス・チャンのボーイフレンドが描いた絵を見つけることが出来るのか? ボクにとっては、目的は、どうでもよかった。ただ、旅を楽しんでた。甲板から見た海は広く、美しかった」
  海を見ているロベルト。
ロベルト、すこし離れた所で、ミスター・アカワが心地よい潮風を受けながら、NEWSWEEKを読んでいるのに気付く。
ロベルトのモノログ「ミスター・アカワは、1948年日本生れ。その昔、旧日本政府の軍隊は、アメリカ合衆国の港を攻撃した。そして、2国間の戦争が始まり、1945年に旧日本軍は敗戦した、と世界史のクラスで聞いた。戦争で荒廃した日本が復興に向けて動き出した頃、この世に生を受けたミスター・アカワのジェネレーションは、アメリカ合衆国に憧れる、戦後日本人のジェネレーションだ。1986年当時までには、日本のインダストリアル・プロダクトは、世界で、優れたものとして認知されるようになっていた。日本のイメージはハイテク・プロダクトのイメージに変わった。ボクは、WALKMANを持っていた」
  ウォークマンをポケットから出すロベルト。
  甲板に居るアカワにチャンが近づく。
  それを見ているロベルト。
ロベルトのモノログ「ミスター・アカワは、当時38才。その時推定年齢34才の、ミステリアス・チャンと彼が共に居ると、2人の光景が、恋人どうしの光景のように見えることもあった」

100 ギリシア本土の港(夜)
  ネオ・コンセプト号は、陸に着く。
夜の港に降り立つ、5人。



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101 駅(夜)
  長距離列車に乗り込む、5人。
  走り出す列車。  
ロベルトのモノログ「そこから、ボクたち5人は列車に乗り、東ヨーロッパを抜け、イスタンブールに到着した」

102 イスタンブール(朝)
カールトン「マーケットに、あの絵がある」ロベルトのモノログ「そう主張するドクタ
ー・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアと共に、無数のテントが立つ、雑踏すさまじいストリートを、ボクたちは歩きまわった」
人にぶつかりながら、5人が、マーケットを歩いている。
ロベルト、珍しい景観に、きょろきょろ。

ロベルトのモノログ「ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアは、実は、細かい行動を、皆に知られずに、する所がある、と分かった」

103 フラッシュバック(船内)
 カールトンが、船内バーで、ワインを飲んでいる、・・・となりの席のチャンと、おしゃべりに興じながら。
チャンは、30代だが、笑顔がかわいい。
やがて、そこにアカワが来る。
カールトンは、思い出したように、席を立つ。
チャンとアカワに手を振って去るカールトン。
船内廊下を歩くカールトン。
ネオ・コンセプト号内で、彼は、1人のセーラーマンを見つける。
カールトンはセーラーマンに話しかける。
セーラーマン室に入るカールトン。
ロベルトのモノログ「そこで彼は、ビデオデッキとテレビを使用する許可をもらったらしい。1年前ボクが撮影した、盗まれたヌード画を含む数点の絵画の映像が入ったビデオカセットを、ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアは、旅に持ってきていた。それを、セーラーマン室のビデオデッキでPLAYし、モニターテレビ画面を、ポラロイドのインスタントカメラで撮っていた。そうやって彼は、チャンのヌード画の写真を作ったのだ」

104 イメージ(細かいカットの連続)
VHSビデオカセット(PAL)を取り出すカールトン。カセットをデッキへ。そしてPLAY。モニタ画面に映る絵画群。早送り。盗まれた絵の所でポーズ。
ポラロイド写真機でモニタ画面を撮るカールトン。インスタント写真が出てくる。次第に浮かび上がるチャンの絵画。

105 イスタンブールのマーケット(朝)
ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアは、そのポラロイド写真を、マーケットの売者たち1人1人に見せて、絵画の行方を追う。
カールトン「このフォトグラフの絵が、このマーケットへ来たとボクは思うんだが。キミたち、この絵に心当たりはない? あったら、教えてもらえないだろうか」
  雑踏にまみれている5人。(ロベルト、アカワ、カールトン、チャン、クララ)

大声「その絵は、サンフランシスコから来た人物が買っていった!!」
ロベルトのモノログ「誰かが大声で叫んだ」
  声の方に振り向く5人。
ロベルトのモノログ「ボクらが声のする方を見ると、1人の男がひとごみを逆流して逃げて行った」
  逃げる男。
 チャンが、追いかけようとする。
アカワ、それを制止。
アカワ「追わない方がいい。彼自身が、絵を盗んだ本人だろう。そして彼は、あの絵を、すでに売ってしまった、サンフランシスコから来た人物に。 …そして、その人物は、観光客だった。だから、あの男を追っても、今、絵がある場所は分からない。彼は、ただの泥棒だった。美術品に対して目利きだったが」
  チャン、ためいき。
チャン「もう、いいわ。絵はあきらめる。あとは、イスタンブールの街を見ましょ」
ロベルトのモノログ「チャンの執着心のなさから、ボクはその生き方に共感したが……、旅は観光となった」
  異国情緒のあるイスタンブール市街。
  陽光に照らされる海の街。
ロベルトのモノログ「やがて、皆、それぞれのホームタウンへ帰った。クララ・シュミットとボクは短い間、恋人どうしだった。やがて5人は会うことがなくなり…、16年の時間が過ぎた」



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106 スーパー「2002年」

107 ゴールデンゲート・ブリッジ(昼)
 青い空。
 赤い橋。
 ひげ面のロベルト。
ロベルトのモノログ「ボクは、32才になっていた。養父母は、ギリシア・クレタ島で元気に暮らしていた。ボクは、アメリカ合衆国に渡り、ノーザン・カリフォルニア、バークレーで映像コンテンツ制作を仕事にしていた。バークレーからサンフランシスコはすぐだ。ボクは時々、サンフランシスコ、チャイナタウンで食事をした。ボクは、チリオイルをたっぷりかけたバーベキューポーク・フライドライスを好んだ」

108 チャイナタウン(夜)
  ネオンの街。

109 中華料理店(内・夜)
 フライドライスを食べるロベルト。

110 中華料理店(外・夜)
  ロベルト、店から出てくる。



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111 チャイニーズ・ストリート(夜)
 一人歩くロベルト。
ロベルトのモノログ「その夜、ボクは、ディナーのフライドライスを食べ終えると、アジア人ばかりが行き交う、奥のストリートを1人歩いた」

112 アンティーク店(外・夜)
  ロベルトは、いつの間にか、ストリート
の一軒のアンティークショップの前に立っている。
アンティーク店のショウ・ウィンドウに置いてあるのは、80年代映画のVHSビデオカセット群。
見入るロベルト。
ロベルトのモノログ「そこにあったのは、なつかしい80年代の映画ビデオだった。エイティーズ映画ファンのボクは、ノスタルジックになり、店のドアを開けた」
  
113 アンティーク店(内・夜)
その店のアンティーク展示室の中を、ぶらりと歩くロベルト。
その足どりがとまる。

ロベルトのモノログ「ボクはそこで思いがけないものを見つけた。まるで、再会したかのようだった。16年前に行方が分からなくなった、あの、チャンのヌード画が、壁にぽつんと立て掛けられていた!
ボクは、思い巡らせた……。どういう経路で、ここまでたどりついたのだろう?」
チャンの絵を見るロベルト。
一瞬、思い出にふけり、ポロッと、なみだを流すロベルト。
時間がとまる。
絵の中のチャンの腰のタトゥーもきれいに残っている。
ロベルトのモノログ「チャンの腰にあるタトゥー……、輪になったトゲ付き薔薇の茎が、その内側デザインを囲っている……。むかしのままだ」
ロベルト、微笑。

ロベルトのモノログ「チャン本人と最後に会ったのは、もうはるか昔だった。
2002年……、チャンは50才になっているはずだった。もう、盗まれた絵のことなど気にもしないだろう」
中国人らしいマスターが、ヌード画を見ていたロベルトのそばに来る。
マスター「お客さん、その絵を気に入ったんだネ?」
ロベルト「いくらなの、マスター?」
マスター「今、いくら持ってる?」
ロベルト「200ドル…」
マスター「それでいいヨ。キミ、そのタトゥーに魅了されたネ?」
マスター「ええ」
ロベルトのモノログ「図星だ。描かれていたタトゥーは、何かの意味を持っているようだった。それが、ボクの確信だった。


114 バークレー・アパート前(外・夜)
  ロベルトの車が停車する。
ロベルト、トランクから絵を出す。
ロベルト「サタデー・ナイトか・・・。絵の中の女性と過ごすのもいいかもな」

115 アパート(内・夜)
  室内ライトが点灯。
  ロベルトが絵をかかえて、入ってくる。
 絵を、壁に立て掛ける。
そして、じっと絵を見る。
ロベルト「ノドが渇いた」
ロベルト、立ちあがり、ビン・コーヒーを持ってきて飲む。
ロベルトは、コーヒーをすすりながら、絵の中のタトゥーを見続ける。
意味ありげのタトゥー。
ロベルトのモノログ「結局ボクには、そのタトゥーのデザインが何を表わしているか分からなかった。そして、フロアの上で寝てしまった」
  フロアに倒れて寝ているロベルト。



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116 朝のノースバークレーMLKウェイ
  ウォークマンを抱えて、若い女性(学生)が走っている、・・・バックパックを背負って。
ロベルトのモノログ「翌朝、9:30頃だった。あるUCバークレーの学生が、表ドアのブザーを鳴らした。彼女は、FILM STUDIES(映画研究科)の学生で…、ときどきボクを訪ねた」

117 アパート内(朝)
  ドアのブザーの音。
  ロベルト、目を開ける。
  
118 アパート外観(朝)
ロベルト、窓を開けて、手を振る。
ウォークマンの女性「ハーイ、ロベルト!」
ロベルト「ヘイ、・・・サラ・サイゴン、早いね」
サラ「キミが遅いのよ」
  無邪気に笑うサラ。
ロベルトのモノログ「サラの両親は、ベトナムから、U.S.A.へ来た。彼女の両親は、来たばかりの頃、言葉を学習するため、ハリウッド映画を沢山見た。そして、それが彼らの趣味となり、毎週金曜2人で映画に行く。その影響で、サラは映画好き。ハリウッド映画をよく見るらしいが、FILM STUDIESを専攻するようになってのち、ヨーロッパ映画やアジア映画も見るようになった」  
  窓からあたりを見回すロベルト。
  太陽がまぶしい。
サラ「なに、ぼーっとしてんの? そっちにいくよ!」
ロベルト「あ・・・ああ・・・OK」

119 アパート内(朝)
  朝日が差し込んでいる。
  窓からの風がカーテンを揺らす。
  壁にはられた、B級映画のポスター。
  テレビは、すなあらし状態・・・。
 無造作に置かれたビデオカメラ。
ロベルトのモノログ「ボクは、映画界へのあこがれから、ハイスクールを出ると、映画制作を専攻した。商業的に成功する映画を作りたい、と思っていたが、実際には、そのような脚本を書けずにいた。サラはボクの事を本に書こうとしてた。彼女は、ボクがハリウッドのディレクターになるまでのバイオグラフィを書いて売り出すのだ、と言った事があった」
  ねぼけた顔のロベルト。  
サラがアパート内に入ってくる。
ロベルト「今日も、わけの分からないインタビュー・タイム?」

サラ「今日は、キミをインタビューなんかしない。すごい映像を手に入れたの! それ、見て」
  VHSテープをロベルトに差し出す、サラ。
  ロベルト、テープをデッキに入れる。
  突然、テレビ画面に映る、反重力飛行をしている宇宙船の映像。
ロベルト「サイエンス・フィクション映画?」
サラ「ほんものよ」
ロベルト「よくある3D・コンピュータ・グラフィックス・アニメーションを実写映像に合成したものじゃないの?」
サラ「ほんものを撮影したらしいよ」
 
120 テレビ画面
反重力飛行をする宇宙船は……、早朝のゴールデンゲート・ブリッジのサンフランシスコ・エントランス上空に浮かんでいる。
やがてカメラが、ズーム・イン。
TVモニターに、宇宙船が大写しになる。宇宙船の細部が見える。
ロベルトのモノログ「ここまでは、・・・ボクは、この映像が、とてもリアルに作られたコンピュータ・グラフィックスだと思っていた・・・。宇宙船に、いくつか窓がついていた。カメラは、その1つを大写しにした。宇宙船の窓に人影が見えた。オート・フォーカスが、その人影をフォーカスした」
宇宙船の窓の中の人物、・・・それは、あのチャン!
ロベルト「チャン!!」(大声で)



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121 アパート内(つづき)
ロベルト「チャン!!」
サラ「だ、大丈夫? ロベルト?」
ロベルト「チャン!!」
  驚きの表情のロベルト。
ロベルトのモノログ「さらに不思議なことに、チャンが昔のままだ……。
ビデオ映像のクオリティから判断すると、映像は新しい。
歳をとらないのか……?
彼女は何者……?
タトゥーは、いつ頃から、彼女にあったのか……?
とにかく、ボクは、彼女のタトゥーがはっきり描かれた絵を持ってる。
この宇宙船は本物……?
人類が作ったのか?
それとも、宇宙人?
撮影日は……? TVスクリーンの端に、2002年10月15日とある。
はじめは、リアルに見せるために、合成した日付だとばかり思っていた……」
ロベルトの驚きの表情を見つめるサラ。

122 モニタ
それから、カメラが引きの映像を、見せる。
宇宙船の下方から、「スタートレック」で見る瞬間移動装置のような光の柱が地面に降りる。
光の柱の中で、2人の人物が地面から、宇宙船内へ吸い上げられる。
その2人は……! なんと、ミスター・アカワと、そのワイフだ!
やがて、宇宙船は、空の彼方へ去った。

123 アパート内(つづき)
ロベルト「本物なのか……? この映像を撮ったのはだれ?」
サラ「UCバークレーに通ってる友達。早朝にジョギングしてる。その朝、たまたま、彼女の恋人が同行して、ジョギングしてる彼女を撮影してた……。その時の事らしい……。ビデオカメラを恋人から奪って、彼女、突然現れた宇宙船を撮った」
ロベルト「ボクは、宇宙船に乗って去って行った3人を知ってる。昔の知り合いだ」
サラ「うっそー」
ロベルト「間違いない」

124 ゴールデンゲート・ブリッジ(朝)
朝もやに溶け込んでいるブリッジ。
ロベルトがブリッジのサンフランシスコ側ゲートそばをうろうろしている。
ロベルト「この辺だった、・・・宇宙船が降りたのは」
上空では、合衆国軍のジェット演習が、ものすごい音を響かせている。
時おり、耳をふさぐロベルト。
ロベルト、上空の霧で真っ白の空を見渡す。
ロベルトのモノログ「それは、あくる日の朝だった。ゴールデンゲート・ブリッジは、よく霧に包まれて、視界が見えなくなる。その日は、かなりの濃霧で、目の前は真っ白。そんな日、宇宙船が飛行してたら、誰にも発見されないだろう……」
ロベルトは、完全に霧に包まれたゴールデンゲート・ブリッジの歩道を、マリン・カウンティの方向へと歩き出す。
やがて、霧の向こうから、こちらへ向かって来る人影が見える。
ゆっくりと歩道を歩いてくる。
ロベルトのモノログ「それは驚くべき再会だった。クララだ! 彼女は、10代の時の面影を残していた」
  クララも何か感じたようだ。
ロベルト「クララ!」
クララ「……ロベルト?」
  (2人は同じフレームに入る)
ロベルト「うん。クララ…、どうしてここに?」
クララ「ミスター・アカワの事、覚えてる? あの人が、ジャーマニーのワタシのアドレスを覚えてて、封書連絡をくれたの。2002年10月15日午前5:30に、サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジへ、遠くから、ある人が来る、と。だけど、ワタシ、その時間に間に合わなくて……。今日20日でしょ。もう、その日を5日過ぎた。ワタシ、それで……、1週間くらい、サンフランシスコ市内に滞在することにしたの。今日はね、海を見たくてブリッジの歩道を歩いてたんだ」
  ブリッジを包んでいた霧が晴れる。
その時、聞き覚えのある声が聞こえる。
声(カールトン)「ロベルトとクララ!!」
ゴールデンゲート・ブリッジの歩道に現れた人物は……、ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアだ。彼の髪には銀髪がかなり混じった。
  カールトン、話を切りだす。
カールトン「いや、実はね…」
クララ「遅れたんでしょ?」
カールトン「そうです。アカワが言った時間が早くて寝坊さ。以来この辺うろうろ」

125 ベイブリッジ(昼)
  ロベルト、クララ、ドクター・カールトン・ジュニアを乗せたキャブが、バークレーへ走る。
ロベルトのモノログ「ボクらは、サンフランシスコ市を出た。ベイブリッジを車で渡り、対岸のバークレー市へ」



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126 ロベルトのバークレーのアパート
 キャブ停車。自宅指し示すロベルト。
カールトン「君、うちの側に住んでたの?」

127 アパート内(昼)
ロベルト、クララたちを部屋へ招き入れる。
カールトン「ああっ! あのヌードだ…。
10数年ぶりに、見たよ…」
ロベルト「ドクター・カールトン・ジュニア、この絵を撮ったビデオテープ持ってなかった?」
カールトン「この10数年、引越しを何度かして……、いろんな物を捨ててしまった」
カールトンは、そう言うと、ゆっくりと絵に近づき、絵の中の、チャンのタトゥーを、まじまじと見る。
しばし、彼は沈黙。
カールトン「オオオー!!」
突然、彼が大声を出す。
カールトン「このタトゥー、この図が表わしてるのは、風景だ! 薔薇茎サークル内のデザイン……、これはバークレーの、ある場所から見た、風景だ。サークルの中に星マークがあるね、それが、船のシルエットみたいなものの左端と重なってる。このシルエットは、アルカトラズ島、通称ザ・ロックだよ。サンフランシスコに面した岬に星マーク・・・。これは、財宝さがしかも! 風景が見られる場所へ行きたい」

128 バークレーの丘(夕)
  その場所から、ゴールデンゲート・ブリッジを含むランドスケープが見える。
手前に、ザ・ロック……。その向こうに、サンフランシスコとマリンカウンティを結ぶ、ゴールデンゲート・ブリッジ……。
ロベルト、カールトン、クララのシルエットがゴールデンゲートの向こうの夕日に照らされている。
ロベルト「確かだ。ここから見た風景が、簡略化されて、あのタトゥーのデザインとなっている。きっと、星マークの場所に何かがある」
カールトン「行こう、アルカトラズへ」
  夕日のシルエットになった、ゴールデンゲート・ブリッジは美しい。
ロベルトのモノログ「サンフランシスコのシンボル的存在、ゴールデンゲート・ブリッジとアルカトラズ島に、何かの秘密が隠されているのか…、そう考えるとボクはドキドキした」

129 海(朝)
  モーターボートで、海を渡るロベルト、カールトン、クララの3人。
  アルカトラズ島が近づく。
ロベルトのモノログ「次の日、ボクたち3人は、モーターボートを使って、アルカトラズ島へ上陸した」



130 アルカトラズ島(昼から夜)
  青い空。
岬を歩いている3人。
霧が出る。
  夕日と霧。
ロベルトのモノログ「アルカトラズ島の、サンフランシスコ市フィッシャーマンズ・ウォーフが対岸に見える岬を調査した。
やがて、夜が来た。満月だった。しかし夜霧は深く、特に何の発見もなかった」
空に浮ぶ満月。
  3人は、霧の間から時折見える満月を眺め、ため息をつく。
満月が、次第に、大きくなり始める・・・・・・。
ロベルト「満月が、巨大化してる・・・」
カールトン「いや、月は、別の方角に見える・・・・・・」
ロベルト、霧の夜空を見渡す。
たしかに、月が、別にある。
  巨大化する、光る物体。
霧が、それを隠す。
そして、もう一度、霧の中から現れたのは、満月ではない、・・・宇宙船の下部のライトだ!
ロベルト、カールトン、クララ「UFO!」
 ロベルト、カールトン、クララ、これ以上はないくらいに、口を、ぽかーんと大きく開けている。
ロベルトのモノログ「サラ・サイゴンが見せてくれたビデオでは、この下部ライトから、光の粒子が放射された………と思ってる矢先、ライトがさらに明るくなった」
  宇宙船の下部ライトがさらに明るく。
そして、そこから光の粒子が放射される。
クララ、ドクター・トーマス・レブンワース・カールトン・ジュニアそしてロベルトの3人は次々に光に呑み込まれる。
ロベルトのモノログ「次の瞬間ボクらは、地面を離れ、体ごと浮き上がった」
  3人が、光の中で、宙に浮いている。
カールトン「信じられないよ!」
  宇宙船に吸い込まれる3人。



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131 宇宙船内(室内・夜)
  そこにアカワが居る。
アカワ「やあ」
  ロベルトらは、宇宙船の中で、チャン、ミスター・アカワ、そして、彼のワイフに会う。
  コンソールで、宇宙船を操縦していたのは、人型ロボットだ。
ミスター・アカワ「ボクが言った時間に来れなかったが、みんな、間に合ったよ。グッドジョブ!」
ロベルト「ボクらは、あのタトゥーのデザインが、アルカトラズの岬を示していると判断して、アルカトラズの岬へ行った。そこへ、この宇宙船が来た。岬に何が隠されているの?」
相変わらず、美しいスタイルを持つチャンは、答える。
チャン「ロボットパイロットRP55が話してくれるわ」
宇宙船を操縦していたロボットが、宇宙船を自動操縦に切り替える。
ロボットは、シートから立ち上がると、ロベルトの所へ来る。
ロボットRP55「ワタシは、RP55。ヨロシク。チャンは、中国系アメリカ人の地球人と惑星X3TRI:UP人との間に、1952年に誕生。チャンが3才の時、1人で宇宙船から出た。その時、宇宙船は出発した。出発するしかなかった・・・。ワタシたち・・・、それは、惑星X3TRI:UP人3名と、地球人のチャンの母、そしてワタシ、・・・・・・計5名は、地球の海底にうもれた財宝をさがしていたトレジャーハンターズだった。財宝はある場所にかくしてある、今も。 しかし、地球から600万光年はなれた小惑星の宇宙海賊が、ワタシたちの事を知り、地球まで追ってきた。
  (ここからあとのセリフと同様のイメージが、セリフと同時に映像として流れる)  
  ・・・・・・それで、ワタシたちはいそいで出発した、財宝を残したまま。 チャンが居ない、と気付いた時、すでに宇宙船は大気圏を出ていた。もう、戻れなかった。うしろには、海賊船がせまってきた。彼らのレーザーを受け、ワタシたちの船はエンジンをやられた。ワタシの他の4名は、2組に別れ、脱出用の2人乗り宇宙ボートで脱出。ワタシは気を失い、気が付くと、宇宙を漂流していた」

  RP55が、船内コントロール・パネルを操作。
宇宙船のフロントウィンドウの外に見えていた、アルカトラズの岬の崖が、突然、上下に割れる。巨大な崖が上下に割れると、その割れ目の奥が、トンネルのようになっているのが分かる。宇宙船は、トンネルに入って行く。

132 アルカトラズ(夜)
  上下に割れたアルカトラズ島の中へ入る宇宙船。
  海底トンネルをくぐり抜けていく。

133 ゴールデンゲート・ブリッジ(夜)
ゴールデンゲート・ブリッジ真下の海底にトンネルの出口があり、宇宙船は、そこから、しぶきを上げて水面に出る。
宇宙船の天井ドームが開く。
ロベルトたちは風を受け、フロアに立っている。
RP55「これは、トレジャーハンターズのチームマークだ」
RP55が、自分の腰を指差す。チャンのタトゥーと同じデザインが、RP55の腰にも付いている。
コンクリートで出来た、橋を固定する建造物に、RP55は背中を向ける。
コンクリートの壁面に左右が逆になった、同じデザインの光模様が浮き出る。その部分が大きな穴となり開く。
中にあったのは、「財宝」だ。
信じられないほどの財宝。
RP55「ワタシは、今回、チャンをつれもどすため、なんとか地球に来た。
・・・その財宝は、地球の7つの海に沈んでいたものを、X3TRI:UP星人の技術を使って、引き上げたものだ。
チャンは、X3TRI:UP人のDNAも持つため、地球人とはちがう歳の取り方をする。この財宝をキミたちにも分けようと思う。だから、脱出ボートで脱出し、今も宇宙のどこかで漂流している4名をさがす旅に共に来てくれないか!」

134 宇宙
  星の海を飛ぶ宇宙船。  
ロベルトのモノログ「ボクは、今、窓の外に見える星の海を見ている・・・チャンはもう忘れたかもしれない、彼女の言葉を思い出しながら」
チャン(ロベルトの記憶)「家族というのは芸術ではない・・・、それは、人生の通過点の美しい瞬間の1つ」

135 宇宙船内
  窓の外を見るロベルト。アカワとチャンが会話している。


アカワ「そうだったの・・・」
チャン「そう、RPが教えてくれた。腰のタトゥー、サンフランシスコのチャイニーズ・アーティストの作だって・・・」
ロベルト「そして、ファミリーのマーク」
 チャン、微笑。
ロベルトのモノログ「ボクらは、未知の宇宙へ向かっている」

              

エンド



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BODHISATTVA by 高嶺朝太 with ルウヴィ

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11月27日(日) | トラックバック(0) | コメント(0) | 進行中プラン(著作権は高嶺&ルウヴィ) | 管理

ボディサバに関する、提案の別バージョン


殺人鬼達の残りダイトク登場です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1 リッモンド地区(昼)
並木道を車で流す、タカギ。
一人車を運転している。
非番と見え、私服の装い。
何かを考えている風に窓ガラスから顔を出している。
不意に何かに気づいたように、身を乗り出す。
タカギ「!なんだありゃ!?」
その視線の先。
長髪で長身のアジア人の青年が住宅の外で木刀を振っている。
その顔は真剣そのもの。
2 タカギの車が青年の側につける。
 車を降りてタカギ、青年のそばに寄る。
 青年、振り向きもせず、木刀を振り続ける。
 しばらくして
 タカギ「、君、日本人だろう?」
 青年、木刀を振るのを止め,タカギの方を振り返る。
 青年、肩で息をする。
3 車の中
 タカギ車を運転し、長身の青年が助手席に座っている。
 青年、シートベルトもせずに、コークをガブガブ飲んでいる。
タカギ、それを一瞥するが無言のまま。
タカギ「名前、なんだっけ?」
青年「タカシ。ありふれた名前だよ。ここで人にあったら、アメリカに留学しているやつで、タカシなんて名前は掃いてすてるほどいるんだってさ。」
タカギ「ははは! そりゃ正しい。 俺もここに留学中は3人のタカシにであったよ。」
タカシ「ははは!」
屈託無く笑う。
4タカギのアパート(夜)
 部屋にビールの缶が散らばる。
 よっぱらながら、
タカギ「俺もさ、留学してたころはお前みたいだったよ。 アメリカいるんだってのに、
一人で突っ張ってさ、、。」
タカシ「ここの連中は本当にくそばっかりだ。 アメリカなんて、サンフランシスコなんて、クズの集まりだよ。 ホントみんな切り殺してやりたいよ。」
笑いながら、
タカギ「おい、言いたいことは分かるが、仮にも俺は刑事だぜ。お前が殺人犯したら逮捕しなきゃならねえよ。」
タカシ「ははは俺は絶対に逮捕されないよ。」
タカシの携帯が鳴る。電話をとるタカシ。
受話器から女性の英語が聞こえてくる。
タカシ、たどたどしい英語で返事をかえす。
しばらくして電話を切る。
タカギ「おい。生意気にアメリカ人の彼女をつくったのかよ?」
タカシ、急に真剣な顔になり、
タカシ「、、、この人は本当に本当に大事な人なんだ、、。」
それを無言で見つめるタカギ。
タカギ、ビールをくぃっと飲み干す。
5 タカギのアパートの外(夜)
タカギ「、、今日はおもしろかったぜ、、。」
タカシ「、、俺もだよ。、、、、アンタと俺は似ているところがある。。。また、
    また会えるよね。」
タカギ、しばらくタカシの顔をみやり
タカシ「、、あれ?どっかでお前の顔をみたことがあるな、、どこでだろう。。」
タカギ、タカシを見つめ続ける。
タカシ「じゃ。」
きびすを返して去っていく。
5 ボディサバ・バー
タカシ、店内に入ってくる。
店を見回すタカシ。
バーカウンターで作業をしていたマダムボディサバは振り向く。
マダム、顔をぱっと輝かせ、
マダム「おそかったじゃないグンダリ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

後にタカギはタカシが殺人鬼であると正体を知り、葛藤する、
そしてタカシがアメリカに来ることになった壮絶な過去も判明していく、、。
またコンゴウの魔の手がタカギに伸び始める。
その一方でマクレガーとの捜査でボディサバコミュティーの実態が判明していく。
そしてコミュニティーを震撼させ、ボディサバという狂人を生むきっかけとなったある事件を知るようになる。






そもそも、タカギがマイクに初めて会った時、
手をあげたマイクが後ろ姿だったのも
おかしい。

後ろ姿だったということは、デスクのある部屋
の前から去っていく途中だったことを
意味している。
つまり、マイクは、部屋の前で盗み聞きを
していたことになる)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

五人の明王とかがいて、それぞれコンゴウ(黒人の大男・・・同僚マイク)、ゴザンゼ(ビジネスマン)、グンダリ(ヘリのり。ブレーン)、大徳明王(刀使い)



ボディサバのアパート前(夜)
マグレガーとタカギが、張り込みしている。
2人は、駐車している車の中。(私服刑事用車両の中)
マグレガー「あの窓、あの赤いカーテンの窓・・・。
 あれが、ボディサバの部屋だ」
 
バックグランドとしては、菩薩を自称する例のアジア系の女性が、4人の人物をマインド
コントロールして、それぞれ仏教の釈迦につかえる、4人の守護神四天王の名前を彼らに科して、殺人を執行させる。

タカギとマクレガーの捜査を妨害する
同僚の刑事、黒人、マイク、これが銃の使い手として、マインドコン
トロールされていて、両者を付けねらう。

クライマックスでタカギが 犯人の女性に銃を突きつけ、そしてそのタカギにマクレガー
が銃突きつける。

(一人はマクレガーの同僚の刑事として、ドンデン返し的意味で後半に正
体がわかる)

マグレガー「そうだ、私は気づくべきだった!
 マイクが包帯をしてポリス・ステーションに出勤した日に・・・。
 そして、いつだったか、私とジョンが遅くまで署で資料整理
 していた日、マイクが忘れ物を取りに来たなどと言って
 夜遅く署にいた日。

 あのときマイクは、部屋から去ろうとして、後ろ向きだった。
 あの状態は不自然だった。
 あれは、私たち二人の様子を覗き見していて、
 去っていくところだったんだ・・・。
 それに気づかなかった・・・
フシアナのような目だ、俺の目は」

(フラッシュバック)
そもそも、タカギがマイクに初めて会った時、
手をあげたマイクが後ろ姿だったのも
おかしい。
後ろ姿だったということは、デスクのある部屋
の前から去っていく途中だったことを
意味している。
つまり、マイクは、部屋の前で盗み聞きを
していたことになる)



11月25日(金) | トラックバック(0) | コメント(0) | 進行中プラン(著作権は高嶺&ルウヴィ) | 管理

(ボディサバつづき)・・・現在検討中(c)高嶺&Louvy2005

  署内(朝)
  ソファの上に寝ているタカギ、毛布を自身ではがし、
タカギ「私です。本当に申し訳ありません、市長。
 ですが、かなりの情報も仕入れました」
  市長、タカギに歩み寄り、
市長「言ってみたまえ」
タカギ「マリン・カウンティの方に、一見、日本仏教の教えを
 よそおい、共同生活しているコミューンがあります。
 聞き込みの結果、分かってきたのですが、そこには、もはや、
 仏陀の哲学など存在していません。
 日本仏教でもありません。
実態は様々なドラッグを使い、乱交パーティーを開き、
人生に迷う、若い女性達をだまし、薬づけにして、
性の奴隷にしていった・・・。
サンフランシスコの金持ち連中が頻繁にそこを乱交の場所
として利用していった・・・。
そこの人々は各種ドラッグのオーバーユーズ、度重なる虐待
から、自分の中に異なった人格を見出すようになる。
つまり、あそこにいると、統一感のある人間ではなくなり、
ドラッグ、性的虐待から、・・・別人格のモンスター的な人格と
ふつうの人格を行き来する人物になっていくんです。
異常者を作っている組織です」
市長「どうしたらいい?」
タカギ「あなたの全権を持って、作戦にOKを
 出して下さい」
市長「何だ」
タカギ「今日、警官隊と、突入します」

悪のコミューン(外観・昼)
フィールドに、大きな赤いテントがある。
そこへ、パトカーが、サイレンをならしながら、
現れる。
後について来る、重トラック。
パトカーがコミューンの前で停車。
タカギがパトカーから出てくる。
タカギ、トランシーバーを口に近づけ、
タカギ「このテントに、行方不明の少女たち
が捕らわれている。では、進行開始!」
警官隊が重トラックから出てくる。
警官隊がテントの中に入る。
タカギは、外に居る。
タカギ(トランシーバーを手に、)「どうだ?」
  タカギのトランシーバーから、回答。
警官「居ました。40人は居ます。みな、行方不明
 で捜索中の少女たちのようです。犯人は・・・、
見当たりません。とにかく、少女たちを解放します」
  赤いテントから、40人ほどの少女たちが
  走り出てくる。
  彼女たちは、タカギのもとに座り込み、
少女たち「サンキュー! サンキュー!」
  その時、赤いテントの後ろから、銀のジェット・ヘリ
  が飛び上がる。
  コックピットに居る、グンダリ。(初登場)
  グンダリ、にやっ、とコックピットからタカギを
  見て、笑う。
少女たち「あいつよ!! あれが、ボディサバのブレイン
 役のグンダリ。逃がしたら、たいへん!」
タカギ「そうだな、・・・あんなもんまで持ってたらな・・・」
  タカギ、眉毛をピクピクさせる。
タカギ(トランシーバーで、)「タカギです。・・・署長、
何でもいい、飛ぶものを出してくれ。相手はジェット・ヘリを
持ってます。とんでもないやつらです」
署長(トランシーバーから、)「分かった。警察用特殊武装ヘリを
 2機出す。待ってろ」
グンダリ(コックピットから、)「グッバイ!!」
グンダリのジェット・ヘリが逃げ去る。
ちょっと経ち、轟音と共に、青と緑との2機の
警察武装ヘリが、タカギの上空に現れる。
緑の方が、タカギの側に着陸。
パイロット「ミスター・タカギ、はやく乗って!」
  タカギがヘリに乗り込む。
少女たち「キャー、かっこいい。いつか、デートして、
 ミスター・タカギ!」
  緑のヘリ、飛び上がる。
  青のヘリと並び、2機はグンダリを追う。

  シスコ上空(外・昼)
  グンダリのジェット・ヘリが逃げる。
  追う、警察ヘリが2機。

  緑の警察ヘリ内(昼)
タカギとパイロットがレーダーを見つめる。
機影が南へ向かっている。
タカギ「どこに逃げる気だ」
パイロット「ネバダでしょう・・・、この方角は」
タカギ「ネバダ・・・」
パイロット「ネバダは、荒野の渓谷と砂漠・・・、
 あんな野郎が、かくれるには絶好のポイントだ」
タカギ「逃がさんぞ・・・」

  ネバダ州(外観・夕方)
  荒野の渓谷を猛スピードで飛ぶ、グンダリの
ジェット・ヘリ。
追う、警察ヘリ、2機。
ヘリの背景は、夕日。
そらが、オーロラのような色になっている。

  緑ヘリ内(夕方)
警察ヘリ・パイロット「ここはすでに、SFPDの
管轄を越えてます」
タカギ「もう追えないのか・・・?」
パイロット「今回は特例の報告をしましょう」
  タカギとパイロットが、微笑み合う。

  渓谷(夕)
  グンダリのヘリ、猛スピードで逃げる。



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(ボディサバつづき)・・・現在検討中(c)高嶺&Louvy2005


  グラントのチャイナタウンの正門(外・朝)
  タカギ、聞き込みリストのメモを見ている。
  膨大なリスト。
タカギ「そうだ、警官の仕事は、こういう地道な捜査が
 大切なんだ・・・」

  タカギの聞き込み映像(朝から昼)
  (ここから、ロック・ミュージックのBGM)
  タカギ、様々な店などを聞き込む。(カットの連続)
   中華料理店。
   インド物産店。
   タイ・マッサージ店。
   すし屋。
   ベトナム・スーパーマーケット。
   カラオケ・パブ。
   パキスタン料理店。
   アジアン・カルチャーのブックストア。
・・タカギは、聞き込みに集中している。

  マサラ・カルチャー・ショップ(昼)
  一方、マグレガ-は、マサラ風のタペストリー屋の
  インド系のオヤジに何か質問している。
  古代インド風の装飾の内装。
  中には、ボディサバのポスターもある。
  マグレガ-のセル・フォンが鳴る。
  マグレガ-、セル・フォンに返事。
マグレガ-「はい。マグレガ-刑事だが」
マダム・ボディサバ(相手)「わたしよ・・・」
マグレガ-「今は、仕事中だ・・・、あとにして欲しい」
マダム・ボ「いいじゃない。この前の私を忘れられないん
じゃない、マグレガ-刑事?」
 マグレガ-、店内にある、ボディサバの絵の美しい
ポスターを見て、頭をかかえる。

  マダム・ボのアパート前(昼過ぎ)
マグレガ-、現る。
マグレガ-「くそ・・・、彼女のアパートに来ちまった。
おれは、マダム・ボディサバのとりこだ・・・独身が
長いせいか、やきがまわっちまった」
  ドア・ベルを鳴らすマグレガ-。

  マダム・ボの部屋のドア前
  ドアをノックする、マグレガ-。
  ドアが開く。
  そこには、全裸のマダム・ボ。
マダム・ボ「あら、マグレガ-刑事、今日のあなたの赤い時計、イアンが
 この前してたのと同じね・・・、どうでもいいけど・・・」
  マダム・ボ、ドアを閉める。
  突然、濃厚なキス。
  再び、マダム・ボは、金色の無数の手を持つ、性の天使に変化。
  無数の手がマグレガ-を抱く。
  マグレガ-、うっとり。
マダム・ボ「ミスター・マグレガ-・・・、私の守護天使が1人、
昨夜、居なくなってしまったわ。 あなたが代わりになって
くれる・・・うふふふ」
マグレガ-「私を君にささげるつもりさ・・・」
  白昼の情事。
マダム・ボ「もう、あなたは、私の思いのまま。
 快楽の奴隷。私の意のままに動く・・・」

  マダム・ボのアパートの前(夕)
  マグレガ-が出てくる。
マグレガ-「くそ、おれは、どうなっちまったんだ?!
 こんなにセルフコントロールをなくすコトは今まで
 なかったのに・・・ううう・・・くそ・・・、
タカギに会わせる顔が・・・」

フラッシュバック
性の天使に変化したマダム・ボディサバ。
マダム・ボ「もう、あなたは、私の思いのまま。
 快楽の奴隷。私の意のままに動く・・」

  SOMAの路地(夜)
  (このシーンは、P.O.V.-観客の視点が、犯人の視点)
  赤い腕時計をつけた手が、銃を持ち、
  犠牲者を追いかける。
  振り向きながら、あわてて逃げる犠牲者。
  犯人の発砲。
  ころぶ犠牲者。
  ふりむき、
犠牲者「おい、たすけてくれよ、なぜ、おれを撃つ?
 たしかに、おれは、役立たずのダイエット・マシーンで
 もうけまくったさ。だが、なんだって、おまえが、
 おれを撃つんだ?!」

  警察署(夜)
  タカギが、机で、ぼーっとしている。たちあがり、
タカギ「マグレガ-ときたら、・・・どこいったんだ?
  結局、署に戻らないでさ・・・もう寝よ」
  タカギ、署のソファで、毛布をかぶる。

SOMAの路地(夜)
  (犯人の視点)
  画面には、銃を犠牲者に向ける、赤い腕時計の手。
犠牲者(犯人に向かって)「エ・・?! 何だって?!
 お前は、人間を救済する、ボディサバの遣いだっての?
 おれみたいな悪党が、これ以上、悪さしないように、
 あの世へ送るってか? それが、おれの魂の救済に
 なるってか? お前に、おれを裁く権利はないだろ、
お前の主人のボディサバって、いかれてるぜ」
  犯人発砲。
  犠牲者、息絶える。

  黒画面
声A「し、市長! わざわざ、なんで、ここまで?」
市長の声「例の異常殺人の犠牲者が、また出たそうだ!
 サンフランシスコ市長として、もう、見ていられない。
 東京警視庁からのエキスパートも手伝ってるのに、
 なぜ、犯人はつかまらない? どいつが、その東京の
 エキスパートだ?!」
  黒画面から、署内の画面に。
  (頭にかけていた毛布をとるタカギ)



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(ボディサバつづき)・・・現在検討中(c)高嶺&Louvy2005

55 ベイブリッジ側のストリート(夜)
  タカギとマグレガーが歩いている。
タカギ「やはり、もう一度、あのコミューンを
 徹底的に調べるために、礼状を取りましょう」
マグレガー「そうだな、あそこには、表面に見えない
 何か、魔物がいるな・・・」
音「からん、からん、からん・・・・」
  2人の後方、すぐ側で、何か落ちてくる音。
  マグレガーが後ろを見る。
マグレガー「やばいぞ」
  後方に落ちてきたのは、手りゅう弾。
  安全ピンが外れている。
マグレガー「全速力で走れ!」
  タカギ、マグレガー、全速力で前へ
  走る。
  後方で大爆発。
  ふっとぶ路上駐車していた車2台。
  地面にたおれる2人。
  おきあがる2人。
  銃声。マグレガ-の目前に火花。
マグレガ-「やつだ。あのときの!
 どこから撃ってる?」
  タカギ、きょろきょろ見回す。
タカギ「あそこだ」
  ベイブリッジの端に人影。
  マグレガ-、銃を構える。
  マグレガ-、発砲。
悲鳴「あああ・・・!!」
  人影がベイブリッジから落ちる。
マグレガ-「ベイブリッジ下は大渦だ。2、3日は
 確認不可能だろう。しかし、これで、実行犯4人の
うち、1人は消えた・・・」
  パトカーがサイレンをならし、来る。
  警官、車を出、
警官「なにがあったんだ?」
マグレガ-「我々は、警官だ。しっかり、質問には応じる。
 だが、あしたにしてくれないか。今は、いろいろ整理
 出来ずにいる。まともなハナシができそうにない」

  警察署(外観・朝)
マグレガ-の声「・・・だから、我々は、2度の襲撃を
 受けたんだ。これは、我々が、あの事件の捜査に関わって
 いるからだと思う。2度とも、タカギが狙われた。
 タカギの存在を恐れている者の犯行だ」
質問者の声「では、ミスター・タカギを日本へ帰すべきr
 だと・・・?」

警察署内質問室
マグレガ-「いや、連続異常殺人事件の捜査には彼が必要だ。
 彼も、すじがね入りの男だ。途中で帰ることはしないタイプだ。
 だが、この事件は、なにか、やばい。私も自信が持てない。
 もし、タカギから、何か要請があったら、可能な限り、
 協力してやってくれ」
  そこへ、別の警官が入ってくる。
警官「マグレガ-刑事! まずいです。また、異常殺人です。
 そして、やはり現場に天誅、悪人正機と・・・」

  タカギの一時滞在用のアパートの部屋(室内・朝)
  ベッドに寝ているタカギ。
  寝相が悪い。
  ベッド脇の電話のベルが鳴る。
  寝ぼけながら受話器を取る、タカギ。
マグレガーの声(電話を通し、)「ジョン、まずい。
 まずすぎるぞ。まただ。また例の異常殺人だ。
 犯人を捕まえないかぎり、終わらないぞ」
タカギ「すぐ、署に行きます」
マグレガー「いや、今日は、外で会おう。
 ワシントン・スクエアのちかくのカフェで」
タカギ「はあ・・・・・?」
マグレガー「捜査の基本は聞き込みだ。それらをつなぎ合わせれば
 結果が出るものだ。今日はとにかく、ちょっとでも手がかりが得られそうなら、
 どんなオーバーシー・カルチャーの店でも、聞き込みを実行するんだ」

  カフェ
  マグレガ-とタカギが対面して席に着いている。
マグレガ-「このサンフランシスコという街は、君も知ってるように、
 数々のオーバーシー・カルチャーが、重層構造のネットワークで、
 リンクしてる・・・、そういう街だ。私は、こういった、異文化が
リンクしている、この街が気に入っている。だが、そういったリンクを
犯罪の温床にしようとするやつらもいる」
タカギ「あげなければなりませんね、・・・なんとしても」
マグレガ-「今日は、別行動をとり、くまなく聞き込みだ」
タカギ「OKです」

カフェ(外・朝)
タカギ、マグレガ-、店を出、互いに手を振り、
別方向に分かれる。



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(ボディサバつづき)

--------------------------------------------------------------------------------(56)
口から、血をだらだらたらしながら、
男「やめろ、、やめてくれ、、。」
コンゴウ、そのまま地面に叩きつける。
男「ぐはっ!!」


53 駐車場の出口
遠目に、コンゴウが男の身体をいたぶっている
のが見える。
コンゴウ、男の身体を持ち上げ、何度も、何度も、
叩きつける。
鈍い音と男の小さな叫び声が駐車場にこだまする。
しばらくすると、男は声も上げなくなる。
コンゴウ、肉の塊をしばらく地面に叩きつけ続ける。
コンゴウの顔のアップ。狂気の笑いを浮かべている。

54 駐車場内
車椅子に座り、タバコを一服するコンゴウ。
側に肉の塊となった男の死体。
コンゴウ、何かに気づいた様子。
コンゴウ「おっ。忘れてた。」
-----------------------------------------------------------------------------(57)
コンゴウ、男の顔の方に手を伸ばし、
耳をつかむ。
コンゴウ、おもっいっきり、引っ張る。
乾いた音とともに、男の耳がコンゴウの手に。
耳から、血が糸を引く。
コンゴウ、耳を使って、血文字を男の側の地面に書く。
“天誅、悪人正気”
コンゴウ、書き終えて、立ち上がる。
コンゴウ「さて、一仕事終えたぜ。」
コンゴウ、車椅子に座り、車輪を押し始める。
車椅子に乗ったコンゴウ、去っていく。



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(ボディサバつづき)

-----------------------------------------------------------------------(51)
マイク(グンダリ)とタカギが、
マグレガーの正面から歩いてくる。
  マイクの足に包帯が巻いてある。
マグレガー「おはよう、マイク、ジョン」
  マグレガー、しばし、マイクの足を見、
マグレガー「マイク、どうしたんだ、その足?」
タカギ「サーフィンで、ケガしたんだってさ」
マグレガー「マイク・・・、気をつけてくれよ。
 君は重要な戦力なんだから」
  マイク苦笑い。
マイク「そうですね・・・」
マグレガー「では、・・今日もがんばろう!!」
  マグレガー、マイクの肩をたたき、
  去る。
タカギ、マイク、そのまま、廊下を
直進。
タカギ、振り向き、マグレガーを呼び止める。
タカギ「マグレガーさん、今朝は上機嫌ですね。
 顔がニコニコですよ。新しいガールフレンドですか?」
マイク「ほんと、マグレガーさん、めずらしくニコニコ。
ヤクでも始めましたか? ジョークだよ、フフ・・」
----------------------------------------------------------------------------(52)
タカギ「洞察力はなくさないでくださいよ。あの事件、
・・・先は長そうですし」
マグレガー、まかせとけ、という感じで手を振る
タカギ「僕ら今、ウェイクアップ・コーヒーを
買いに行くとこなんです。マグレガーさんは、
何か要ります?」
マグレガー「エスプレッソ、たのむ」

  警察署(外観)
  タイムラプス(早送り効果)で一気に夜になる。


51 新聞社の外(夜)
正面玄関から中年の男が出てくる。
肥満気味の大男。酒でも飲んでいるのか、顔が赤い。
手に車の鍵をちゃらちゃらさせながら、
男「今日も仕事がんばった、がんばった~。」
歩き始める。
脇に黒人のホームレスがいる。車イスに座っている。手にはカップ。
----------------------------------------------------------------------------------------(53)
ホームレス「・・だんな、だんな、小銭をめぐんでくだせえ」
中年の男、軽く一瞥し、無視して歩き続けていく。
ホームレスの男のアップ。フードをかぶっており、
表情は読み取れない。

52 新聞社の裏にある駐車場(夜)
真っ暗だが、ところどころ電気がついている。
かすかな光に照らされている20ダイほどの車。
入り口から、中年の男が口笛を吹きながら歩いてくる。
自分の車の前に来、ドアを開ける。
車内に入ろうとしながら、ふいと脇を見やる。
車のイスのホームレスがすぐそばにいる。
中年男、驚きの表情。
ホームレス「、、だんな、、だんな、、めぐんでくだせえ、、。」
驚きながらも、気を取り直し、、
男「、、いくらだ?」
ホームレス、にやりと笑い
ホームレス「$2million ほどくだせぇ。」
驚き
男「な! ふざけるな!」
男、無視ながら、荒々しくホームレスの目の前で
ドアをしめる。
--------------------------------------------------------------(54)
車内、男タバコに火をつけながら
男「とんでもない野郎だ、、。」
当然、どでかい手が窓ガラスをぶち破る。
男、声をあげる間も無く、窓ガラスから引きずり
下ろされる。
目の前に車イスのあのホームレス。
ホームレス、車椅子から立ち上がる。
中年男、地面に這い蹲りながら、見上げる。
ホームレス、見上げるような大男。
ホームレス、フードを上げる。
黒人の屈強な体格をした大男(コンゴウ)
中年の男「!」
コンゴウ、男が落としたタバコを拾い、口にくわえる。
コンゴウ一服する。
男立ち上がろうとする。
コンゴウその襟首をつかみ、むんずとつかみあげ、
自分の目の高さにまで持ってくる。
男の足が宙に浮いている。
コンゴウ、タバコを口に挟みながら、左手で男の襟首を
つかみ、右手を大きくふりかぶる。
大きなスウィングの後、大きな右拳を中年の男に叩きつける。
------------------------------------------------------------------------------(55)
男、十メートルほど吹っ飛ぶ。
血まみれになった男の顔面。
男「ゲフッ!!」
男、血を吐く。血たまりの中に十本以上の歯。
コンゴウが近づいてくる。
コンゴウ、歩きながら、両手に黒いグローブをはめる。
コンゴウ「$2million。 これがてめぇの値段だ。 
さっき払っておけばよかったのにな。」
男、腹ばいになりながら、何とか逃げようとする。
コンゴウ追いつき、男の右手に手を掛ける。
コンゴウ、思いっきり男の右手を引っ張る。
何かが砕けた音がする。
男「あぁ。」
コンゴウ、男の身体を片手だけで、宙に持ち上げる。
そして、そのまま地面に叩きつける。
血飛沫が飛び散る。
男「あぁ~。、やぁめぇろぉ。」
コンゴウ、今度は男の左足に手を掛け、
そのまま宙に持ち上げる。
逆さになる男。



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